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Special Contents

〈​コミュニティ診断ツール〉が完成しました!

​権ゼミ × NEC ―産学共同プロジェクト―

研究の経緯(権 安理)

1.アウトプットのイメージ形成:春学期 

 「何をやりたいのか」のブレインストーミングから開始。アレグザンダーの「パタン・ランゲージのコミュニティ版のようなものを作れないだろうか!?」――こんなモチーフで関連図書の発表をして共有したり、アウトプットイメージを考えていきました。
 「せっかくNEC様と組ませていただくのなら、成果物はデジタルツールが良いのでは!?」。こんな意見も出て、「コミュニティ診断」のイメージが固まっていきました。

 

2.事例の分析と調査の実施:春学期~夏休み

 対象となる数十の事例について、NEC様のご協力もいただきつつ、デスクトップリサーチをしてゼミで議論。「上手くいっているなあ」「面白い、素敵、斬新」と感じるコミュニティやつながり形成の事例分析をしながら、各人の推し事例に応じて4つのグループを作りました。そのうえで、グループごとにさらなる分析を進めつつ、会社様・団体様・活動現場に赴いてのヒアリング調査や参与観察を行っていきました。
 

3.調査の共有と診断軸の決定:夏合宿~秋学期

 夏合宿で、各グループの調査成果を報告・共有。議論を重ねて、「診断するため4つの軸」を決定しました。軸は以下の通りです。
「地縁型―目的型」「日常型―非日常型」「デザイン型―偶然型」「苦楽共有度高い―苦楽共有度高い」

 4軸を決定するにあたり、「《事例》分析からの帰納」(多くの事例を分析した結果からの帰結=経験論的知識)と、「大学で得た《知》の導入」(地縁型コミュニティ、目的型コミュニティといった概念の合理論的応用)という2つの学問的方法に依拠しています。これらの軸は、例えば「ゲゼルシャフトとゲマインシャフト」
(テンニエス)、「コミュニティとアソシエーション」(マッキーヴァ―)といったコミュニティに関連する学術的な分類をふまえつつも、ゼミ生なりに刷新したものとなっています。また、夏合宿は山梨県早川町の廃校を活用した宿泊施設で行いましたが、そこからzoomでNEC様とのMTGも行いました。

4.4つのVersionがある診断ツールの試作:夏合宿~秋休み

 診断ツールはどんなデザインにするのか、わかりやすくするためにどんな例えを用いれば良いのか。4グループから4つのアイデアが生まれ、この時点で、「診断まで」が出来るデジタルツールの試作品が完成しました(下記は完成品の例なので、試作品とは異なる部分もあります)。

コミュニティメイト:どんな仲間かに例えて分類。「苦楽共有度が高い」のは「トラベルメイト」、「偶然型」は「クラスメイト」など。
ドリンク:なんと飲み物に例えて分類。「日常型」は「ホットグリーンティ」、「デザイン型」は「バタフライピーティ」など。
宝石:なんと宝石に例えて分類。「非日常型」は「ダイヤモンド」、「偶然型」は「ベリドット」など。
出会い方
:出会い方に例えて分類。「地縁型」は「集団登校型コミュニティ」、「目的型」は「職場コミュニティ」など。

 
試作品を大学内、学外のイベント、ゼミ公式インスタなどで配布・拡散してデータを収集。バグを発見しながらベスト作を決定し、それをアウトプットで採用する予定でした。ですが、全部が素晴らしいもので優劣がつけられない(涙)。結局、「4つのVersionを作ろう」ということになりました。

 

5.アウトプットの作成:秋学期~春休み

 事例の分析結果を、ある程度のレベルで普遍化されたナレッジ(パターン)にするために、個別性と普遍性を併せ持った短文(ランゲージ)に落とし込む作業をしていきました。数百に渡る短文を分担して作成しながら、「事例(経験知)と理性(普遍知)」の間くらいのナレッジを作り、診断後の“処方箋”として提供できるように精緻化していきました。
 また同時に、4つのグループ共通のデジタルツールと、グループ独自のデジタルツールを、Webページ作成ツールであるWixで作成していきました。Wixの作業はゼミ長と副ゼミ長が中心となり、4グループのリーダーや4年ゼミ生の協力のもとで、ひたすら地道な作業を忍耐強く行っていきました。
またこの間、NEC様は何度も大学に足を運んでくださり、ゼミ生や教員と一緒にブラッシュアップに協力してくださいました 。

 

6.完成~春休み

 約1年をかけた「診断ツール」が遂に完成! 夏休みも春休みもテスト期間も頑張りました。毎週ゼミが終わった後には、居残りゼミを真面目に、でも(差し入れのお菓子やピザを食べながら)楽しく行ってきました。
 当初の予定よりかなり遅れてしまいましたが、誇らしい程に完成度は高まったと思います。ずっとフォローして下さったNECの担当者の皆様(NEC クロスインダストリービジネスユニット 千葉さん・服部さん・梶原さん )、協力してくれた権ゼミ現4年生の先輩、そして何よりも権ゼミ現3年生の皆様、本当にお疲れ様でした!

▲ NECの皆様と立教大学の教室にて

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